学名carica papaya linn 

16世紀の【大航海時代/鉄砲伝来の頃】、このパパイヤは船員が食べると元気になり良く働くのでスペイン人により船員の食料として世界中へ運ばれ植えられました。そのころのパパイヤが奄美群島には残っています。特に珊瑚ダストでは生育が良いです。

奄美大島では幕末(1855年頃)の薩摩藩士名越左源太が記録した『南島雑話』にでてくる野生植物の「萬樹榮」がパパイヤではないか?と考えられています。(パンジュウエイ、マンジュウマイ、モックヮ(奄美大島)、パンショーウィ、パンソーウィ(与論島)奄美群島生物資源データーベース抜粋)

奄美空港近くの防風林(珊瑚ダスト)の中で野生のパパイヤを観察できます。バードウォッチングエリア、リュウキュウアサギマダラの越冬地では1年中花が咲き結実し世界自然遺産に住む昆虫、鳥類、小動物の生態系を支えています。

木魔王の防風林(珊瑚ダスト砂丘に植林)は空港入口から滑走路沿いに北へ約3キロ南へ2キロ続いています。降った雨をリーフが天然ダムになって水を蓄えます。砂浜を掘ると淡水が出てきます。(左はリーフに作られた滑走路/手前は海水)

西部劇のサボテンの様に幹が分かれたパパイヤが周囲の木々よりも高く成長しています。

防風林のサイクリングロード沿いでは、鳥に運ばれた種子が発芽しています。

防風林に住むカラスは消化酵素が豊富なパパイヤの蕾(つぼみ)を食べることがあります。パパイヤが熟すると中の種子を食べ果肉を残します。(在来種の熟果は美味しくありません。近年は交雑が進み甘い果実が増えています。)

台風で幹が折れ枯れそうになると雄のパパイヤは雌のパパイヤへ性転換を始めます。(写真の白丸は雄花、赤丸は実、細長い実が特徴)

11月になると絶滅危惧種のサシバが越冬を始めます。(場所;宇宿漁港/背景は防風林)

奄美大島で「原種」と呼ばれるパパイヤ株です。白い光沢は酵素です。交雑を繰返すとパパイヤはこの株に戻ると言われています。枝の色は単色です。(特徴は実が小さく固く重く、種子が多く酵素が多い。両性株が無い?)フィリピンのカリカパパイヤと特徴が似ています。

原種」の種子は「在来種(交雑種)」の種子の70%~80%ほどの大きさです。

防風林の日当たりが悪い場所では葉1枚に実が1個交互に結実します。交雑した株は枝の色に少し赤が入っています。

防風林の中で4年目を迎えたパパイヤです。

落下しないまま熟した果実の中で黒い種子が既に発芽しています。通常は鳥に食べられ、運ばれて地上で発芽します。(場所;用岬市有地の防風林/R4年10月30日)

縦に着果している株です。

着果数がとても多いです。奄美大島北部のさとうきび畑の水はけが良い場所で良く見かけます。